潮目文化共創都市

いわき宣言

 

 

いわき市誕生から51年目の今年、

いわき市は「潮目文化共創都市づくり」

を宣言します。

 

 

いわきは「潮目のまち」である

という基本理念のもと、

さまざまな文化事業を展開していきます。

 

 

 

 

「潮目」をテーマにした

展示や企画、体験ツアー、セミナーなどを

 

市内で様々な活動をしている

文化の担い手たちと協力して

行っていきます。

 

 

潮目とはなんでしょうか。

 

暖流と寒流がぶつかり合う海を

「潮目の海」と呼ぶように

 

潮目とは、何かと何かがぶつかる所にある

「境界線」のようなものを指します。

 

 

 

それと同時に、

何かと何かがぶつかることで生まれる

 

混沌や多様性そのものを指す言葉でもある

と私たちは考えます。

 

 

 

潮目という言葉には

 

「何かと何かがぶつかり合う境界に

存在する豊かさ」

 

が含まれているのです。

 

 

いわき市は、暖流と寒流の混じる

常磐の海を持ち

多様な植物の南限と北限が

入り交じる地域です。

 

 

港町は潮目の海の恵みを享受し

ヤマには石炭を求めて全国から

技術者や労働者が住みつき

山間部の宿場町には四方から旅客が

訪れました。

 

 

 

 

様々な人と文化が流れ着くいわき市には

確かな文化的多様性が存在しているのです。

 

 

 

安藤信正は歴史の潮目に立ち

 

草野心平は境界から

「ここではないどこか」をえぐり出し

 

片寄平蔵は豊かさを交易で

発展させようと試みました。

 

 

 

 

潮目のまちは、国府田敬三郎や小林研一郎ら

海外で才能を開花させた偉人たち

 

若松光一郎や松田松雄といった

強烈な個性を放つ芸術家たちをも

輩出してきました。

 

 

 

一方で、潮目とは

 

豊かさだけをもたらすものでは

ありません。

 

 

 

東北と関東の狭間に立ち、

 

アイヌとヤマト、中央と周縁の

歴史に翻弄され

 

その過酷な歴史を受け入れてきた

地域でもあります。

 

 

 

 

豊かさとは対照的な歴史を持つ

土地だからこそ

 

いわき市には日本の文化や歴史、

風土を語るうえで極めて重要な

「境界線」が存在しているのかもしれません。

 

 

 

しかし、豊かな潮目の海も

よく見なければ「青一色」にしか見えません。

 

様々に視点や角度を変えて見てみなければ

潮目の本質を見定めることはできないのです。

 

 

 

「いわき市には何もない」と

思ってしまうのに似ているかもしれません。

 

 

そこでは一体、

何と何がぶつかり合っているのか。

 

 

 

その境目を見つけ、問い直すことなしに

 

潮目のまちの本当の姿は

見えてこないのだと思います。

 

 

文化的アプローチによって

いわきの混沌をひとつひとつ解読し

境目を見つけ、その面白さに気づくこと。

 

 

片側の潮流からもう片側の潮流へと越境し

あるいは鳥の目で境界を

俯瞰しながら想像し、表現し

様々にぶつけ合わせて対話を重ねること。

 

 

 

そして、それを続けることで、

相反する潮流を分断ではなく

豊かさに昇華できるまちにしていくこと。

 

 

それが私たちの考える

「潮目文化共創都市づくり」です。

 

 

潮目の境界から見るいわきは

果たしてどのようなまちでしょうか。

 

 

見慣れたまちでしょうか。

それとも、私たちが見たことのない景色が

広がって見えるでしょうか。

 

 

私たちにも今はまだ分かりません。

 

 

その姿を見てみたいと思うからこそ、今

潮目文化共創の第一歩を

ここに刻もうと思うのです。