潮目のヤマとアート みろくざわ芸術展、開催

しらみずアーツキャンプにおいて開催される「みろくざわ芸術展」。会場以外、全貌がほとんど分からないこの不思議な芸術展について、本当に全貌が分からないまま終わってしまいかねないので、ここいらで展示の見どころや企画の意図などについてご紹介します。

 

みろくざわ芸術展は、しらみずアーツキャンプの二大企画のひとつとして企画された芸術展です(もうひとつが「しらみず文化大学」)。みろく沢炭資料館周辺や、その裏山に至るまでを会場とし、いわき市在住の8組の作家の作品を展示いたします。

いわきの近代史を考えるうえで欠かすことのできない、このみろく沢。常磐炭鉱の歴史の出発地点です。多くの富をもたらした場所でもありますが、炭鉱業は斜陽になり、やがて閉山となります。かつて賑わったヤマは、人から思い出されることを拒むかのように静かに時を刻んでいました。みろく沢炭資料館ただ1カ所を除いては。

いわきの歴史や文化を知るにつけ、この「みろく沢炭資料館」こそ、いわきの宝である。そう思うに至りました。そしてその魅力ある場所に芸術家たちを誘い、彼らの解釈で、この土の歴史を表現してもらいたい。そんな風に考えるようになり、いわき市内の作家の皆さんにお声がけし、今回の芸術展に至ったというものです。

 

作品制作のため渡邊為雄さん(右)を訪ねた美術家の山本伸樹さん(左)

 

地域の母ちゃんズは、思いを込めてカカシを制作

 

みろく沢の裏山の奥に、吉田重信さんの作品は展示されます

 

参加する作家は、あいうえお順に、オガタマサユキ(廃材画家)、カカシZ(川平の母ちゃんズ、北二区の母ちゃんズ、アリオスあそび工房ズ)、野島美穂(画家)、藤城光(美術家)、山本伸樹(美術家)、吉田重信(美術家)、若松光一郎(美術家)、渡邊為雄(みろく沢炭鉱資料館館長)の8組。さらに、ユアサミズキ&高木市之助の作品が、白水小学校に展示されます。

 

超大まかな展示マップは下の図のような形になっております。吉田重信さんの作品のみ展示場所が秘密になっております。さらにこの作品は、崖を登っていく必要があることから、おひとりでの観覧は基本的にはおすすめしておりません。観覧ツアーでの鑑賞を予定しております。ものすごい作品です。

また、カカシZの作品を観る直前の場所にイノシシの通り道が見つかりました。通る際にはイノシシに敬意を払い「お邪魔します」と挨拶し、ヒトが通ることを断ったうえでお進みください。途中途中には、東日本大震災で落下した巨大な岩が転がっています。もはや何かの神にしか見えません。どうぞ手を合わせながらお進み下さい。

 

 

どこまでが自然の営為なのか。どこからが人工的なのか。閉山から時が過ぎたみろく沢は、その風景さえ曖昧にしてしまいます。静謐な山の斜面には石炭が露出し、かつての賑わいを思い起こさせてくれることでしょう。この山全体が、皆さんの五感をこれでもかと揺さぶってくるはずです。

人の手があちこちに加えられたみろく沢そのものが、ある種の芸術作品のようなものなのかもしれません。だから展示されている作品だけが作品ではありません。土に、石炭に、斜面に、岩に、わずかに見える空に、何らかの「意図」や「おぼしめし」を読み取ってしまうような空間。感じるままお楽しみ下さい。

歩きながら見てこそ、芸術は、この山は光り輝きます。ケガにだけは十分気をつけて下さい。イベント保険には加入しておりますが、落石やイノシシなど動物の動きは予想できませんので、観覧は基本的には「自己責任」となります。よろしくお願いいたします。

 

 

企画名 みろくざわ芸術展
日時 2018年11月25日(日)9:00〜16:30

※1日限りですが、半永久的に展示される作品がございます。その作品については後日来場してもご鑑賞頂けます。
会場 みろく沢炭砿資料館
観覧料 無料
参加作家 作家:オガタマサユキ(廃材画家)、母ちゃんズ(川平の母ちゃんズ、北二区の母ちゃんズ、あそび工房 with T)、野島美穂(画家)、藤城光(美術家)、山本伸樹(美術家)、吉田重信(美術家)、若松光一郎(美術家)、渡邊為雄(みろく沢炭鉱資料館館長)、高木市之助&ユアサミズキ