いわき潮目劇場2018「しらみずアーツキャンプ」

 

※2018年11月22日バスの時刻を追記

皆さん、いわき市内郷の「白水(しらみず)町」をご存知ですか? 白水町には、いわきの潮目文化の礎を形づくる、素晴らしいものが3つあります。国内で有名なのは「国宝・白水阿弥陀堂」ですが、その奥のトンネルをくぐったところに、あと2つ。ひとつは、今年度いっぱいでの閉校が決まっている「いわき市立白水小学校」、そしてもうひとつが、渡邊為雄さんという男性が、たったひとりで作った「みろく沢炭砿資料館」。いわきの文化を語るうえで欠かすことのできない重要拠点が、この白水地区にはあるんです。

だけれど、この二つの場所。超地元の人以外、いわき市民にすらあまり広く知られていない。めっちゃすごい場所なのに! これを知ってもらいたい、なんなら、この場所であんなことやこんなこともしてみたい! と、実行委員会では考えてきました。

 

今年度いっぱいで惜しまれつつ閉校となる白水小学校。校舎の後ろにそびえるのは高倉山

 

渡邊為雄さんによって作られた、みろく沢炭砿資料館

 

そこで、この「白水小学校」と「みろく沢炭砿資料館」の二つの場所で、さまざまな学びや体験を提供し、いつもとは違った雰囲気で文化や歴史、地域を考えようという企画を考えてみました。それが「しらみずアーツキャンプ」。学びと体験、巡礼、芸術鑑賞によって、いわきの文化や宿命、だからこそ生じる地域課題、さらに、その課題の解決の方法などを一緒に考えようという1日限りの企画です。

しらみずアーツキャンプは、大きく分けて、このような企画になっています。

 

 

座学とフィールドワークが中心の文化講座「しらみず文化大学」と、みろく沢を会場とした企画展「みろくざわ芸術展」の二つの企画が「しらみずアーツキャンプ」の中身です。座学によって基礎を学び、フィールドワークによって体験する。同時に、みろく沢を会場にした芸術展を開催し、それを鑑賞してもらう。両会場(地区)をぐるぐると巡ることで、これまでは見えなかったものを感じ、それでもって、別の角度からいわきを見てみよう、そんな企画になっております。

 

それでは、企画について、もう少し個別に、詳細に紹介していきます。

 

文化講座【しらみず文化大学】

日時:2018年11月25日(日)
会場:座学講座 いわき市立白水小学校体育館
   フィールドワーク みろく沢炭砿資料館前広場、いわき市内郷地区内など各所
定員:100名(座学は予約は必要ありません)
講師:猪狩僚、夏井芳徳、高木市之助、長野隆人ほか
時間割り:


午前中はみっちり3講座を座学で学びます。もちろん、どれか一つだけでも構いません。

まず、いわき市地域包括ケア推進課の猪狩僚さんから、いわきの地域医療、福祉、高齢化などの観点から地域の課題を提示して頂きます。現在、猪狩さんを中心に展開されている地域包括ケアの取り組み「igoku いごく」のケースをお話頂きつつ、地域の課題に「斜め方向」から突っ込んでいきます。

続いて、いわき地域学會の夏井芳徳先生から「石炭をめぐるふたつの謎」をテーマにお話をいただきます。サブタイトルは「片寄平蔵と第二次世界大戦と石炭、炭鉱にまつわる謎を君は解けるかな?」。平蔵と第二次世界大戦をつなぐ謎を紐解きます。

そして3講座目には、いわきの豊かな文化や歴史を、いかに地域と接続していくのか。アートや文化、場づくりの側面から、いわきアリオスの長野隆人さん、市内でさまざまなクリエイティブに関わるデザイナーの高木市之助さんにお話頂きます。

地域課題は厳然と存在する。しかし、そのような土地だからこそ、実は豊穣な文化や歴史が眠っている。そこから、いわきの宿命や潮目が読み取れる。それをいかに社会に突きつけ、豊かな地域資源として活用していけばいいのか。そんなことが語られるのかもしれません。地域課題解決やまちづくり、地域づくり、アートプロジェクト、民俗学や地域学、歴史などに興味のある方、ぜひ3講座ぶち抜きで受講してみてください。

授業前には、しらみず文化大学校歌こと白水小学校校歌を参加者全員で斉唱します。音源は近日中にウェブに公開しますので、それを当日歌えるように聞き込んで来てください。それが宿題です。伴奏は、ギタリストのアベマンセイさん。さあ、一体どんな校歌斉唱になるのか!

 

お昼には「食」も。

参加者の皆さんには、さんまのつみれ汁(200円)とおにぎり(100円)を販売いたします。家庭科室を「食堂・潮目亭」に見立て、まったりと学校の雰囲気や食をお楽しみ頂けるよう準備して参ります。

さあ、午前中みっちりと学んだら、午後は、新たに得られた知識や情報を持って地域に出かけます。午後はフィールドワーク講座です。フィールドワークは、13:30スタートと15:00スタート、計2つのプログラムを選ぶことができます。どちらか1回だけでももちろん構いませんが、資料の準備などもあり、事前に参加人数をある程度把握しておきたいので、参加してみたいプログラムが決まったら、申込書やメールに記入のうえ、予約してお申し込み下さい。(風とカルマのツーリズムのみ、1回きりの開催です。ご注意ください)

 

しらみず文化大学フィールドワーク講座

 

①、風とカルマのツーリズム 「弥勒沢~ヒトは何をつくるのか」

ガイド 江尻浩二郎 / 話者 渡邊為雄(みろく沢炭砿資料館館長)
時間 13:30~15:30(予定)(こちらのコースのみ1回だけの上演となります)
定員 10名
集合場所:みろく沢炭砿資料館
内容:幼少期のドヂ車(手作り木製三輪車)製作に始まり、炭鉱時代、養鶏時代の数々の発明、自宅周辺の井戸や道路や橋、そしてとうとう資料館とその写真集まで独力で作ってしまった為雄さん。その「ものづくり」の歴史をご本人と共に振り返ります。

 

②、風とカルマのツーリズム実験企画 しおめ彼方此方「石炭(スミ)の道、あみだの堂」

ガイド 内郷まちづくり市民会議公認ガイド
時間 ①13:30~ ②15:00~
定員 それぞれ20名
集合場所:みろく沢炭砿資料館周辺
内容:内郷まちづくり市民会議の皆さんとのコラボ企画。みろく沢の町歩きの標準コースとなっている「石炭(スミ)の道」だけでなく、そこに白水阿弥陀堂までを加えた特別コースを歩きます。いわきの潮目「みろく沢」の歴史や魅力を知る第一歩となるコース。初めて白水地区に来る方、地元の人に案内してもらいたい方には最適のコースとなっております。

 

③、風とカルマのツーリズム実験企画 しおめ彼方此方「かわだいらと学びの舎」

ガイド 遠藤隆宏(白水小学校校長)、馬目行雄(川平区長)
時間 ①13:30~ ②15:00~
定員 それぞれ20名
集合場所:白水小学校体育館
内容:今年度で閉校が決まっている白水小学校。大変素晴らしい小学校として知られています。その白水小学校の教室で、遠藤校長先生による学校の歴史や価値を学ぶ特別授業をして頂き、その後、校長先生の案内で学校を見学。さらに、小学校のある川平地区の馬目区長とともに学校周辺を歩くコースです。小学校を含めた川平地区の魅力をたっぷりと体感できます。この日限りの特別授業!

 

④、さあ、一緒に考えながら見てみよう アリオスの長野さんと見る、みろくざわ芸術展

ガイド 長野隆人(いわきアリオス)
時間 ①13:30~ ②15:00~
定員 なし
集合場所:みろく沢炭砿資料館周辺
内容:今回のアーツキャンプの企画展「みろくざわ芸術展」を、いわきアリオスの長野さんとともにじっくりと鑑賞するツアーです。作品に込められた意味や鑑賞の仕方などを長野さんと一緒に考えていきましょう。13:30、15:00のタイミングでは、スタート地点の資料館にいてもらいますが、そのあとのコースは長野さん次第。途中参加の方は、長野さんがどこにいるか探してみましょう。アリオスのツイッターを見れば、長野さんの居場所がわかるかも?

 

⑤、撮って歩いて、ファインダー越しに白水を見る 撮×撮ToriDori in SHIRAMIZU

ガイド 中村幸稚(フォトグラファー)
時間 ①13:30~ ②15:00~
定員 それぞれ15名
集合場所:白水小学校正面玄関
内容:ただまち歩きするだけではありません。写真を撮りながらじっくりと。いわき市内各地で写真を撮りながらまち歩きする企画を展開しているフォトグラファーの中村さんとともに、白水地区を歩きます。ファインダー越しに見える川平。かつて隆盛した常磐炭鉱の痕跡を、中村さんとともに探してみましょう。

 

⑥、『新復興論』を片手にいわきの潮目をめぐる 1時間半の超高速いわき潮目巡り

ガイド 小松理虔(フリーライター)
時間 ①13:30~ ②15:00~
定員 それぞれ7名
集合場所:白水小学校正面玄関
内容:今年9月に『新復興論』を上梓したフリーライターの小松さんと、小松さんの車で市内を巡るツアーです。本の中で紹介されているポイントを、小松さんの言葉で解説してもらいながら巡っていきます。小松さんの自家用車を使うため7名限定となりますが、内郷地区を中心にしつつも、圏外に出ながらいわきの潮目を読み解いていきます。

 

⑦、ガイドを片手にフリー周遊 しらみずフリーツアー

ガイド ガイドマップ参照 時間なし 定員なし 集合場所も自由
内容:自分の目で、じっくりと巡りたい。そんな方にも川平を味わって頂くべく、フリーコースを用意しました。そのための簡単なガイドをお配りします。そのガイドに従って、白水地区を歩いて見て下さい。今までは見えなかった景色が、見えてくるかもしれません。ガイドのいるフィールドワークを1つだけ選択し、残りの時間をフリーコースで楽しむのもオススメです!

 

午前は体育館でじっくり学び、午後は現地を見て回る。しかし、そこで探すべきは「答え」ではなく、「問い」かもしれません。どのように地域と関わるべきか。どのように生きるべきなのか。いわきとは、どのような土地なのか。そんな根源的な問いが、フィールドワークのなかで見つかるはずです。ぜひご予約の上、ご参加ください。

座学もフィールドワークも基本的には自由参加ですが、フィールドワークは、参加人数を事前にできる限り把握しておくため、できるだけメールやファックスにて「ご予約」ください。メールや申込書に希望する講座を「2つ」記入するだけ(①のツアーのみ1回)。お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。

ツアーがすべて終わったら、体育館で「こたつ de 懇親会」を行います。もちろんフィールドワーク後に帰宅して頂いても構いませんが、ぜひ最後まで残って頂き、参加者同士で、生まれた問いを共有したり、お話したりしてみてください。また、夜6時から、白水小学校脇の「川平集会所」におきまして、地域の皆さんとの「つどいの場」を設けました。ゆるりお酒を頂きながら、交流をお楽しみ下さい。

 

さて、続いて、みろくざわ芸術展について。

 

企画展「みろくざわ芸術展」

展示期間:2018年11月25日(日)
会場:みろく沢炭資料館 周辺一帯
開場:9:00~16:30
料金:無料
作家:オガタマサユキ(廃材画家)、母ちゃんズ(川平の母ちゃんズ、北二区の母ちゃんズ、あそび工房 with T)、野島美穂(画家)、藤城光(美術家)、山本伸樹(美術家)、吉田重信(美術家)、若松光一郎(美術家)、渡邊為雄(みろく沢炭鉱資料館館長)

 

大変美しい造形の炭資料館と、みろく沢

 

資料館の展示物もさることながら、この資料館自体が優れた作品になっています

 

みろく沢炭資料館のある「みろく沢一帯」を会場とした企画展です。市内外から8組の作家が集合。当該地区をリサーチし、作品を制作、展示します。一部はすでに制作された作品を展示しますが、新たな文脈を付け加えたうえで展示することで、この地に別の角度から光を当てていきます。1日限りの展示作品もあれば、半永久的に展示される作品もあります。なかには、深い山中に展示される作品も。斜面の崩落や怪我の危険性もあるため、鑑賞する際には、自己責任で鑑賞する旨の同意書を書いて頂く予定です。どうぞ気をつけてご鑑賞ください。

 

美術展に関連して、いくつかのワークショップも行われます。

 

事前ワークショップ①「母ちゃんとかかし作っぺ」

日時:2018年11月4日(日) 10:00~16:00
会場:川平集会所
定員:特になし
講師:高木市之助
詳細:http://iwaki-shiome.com/project/668/

グラフィックデザイナーの高木市之助さんを講師に、川平の皆さんも巻き込みながら、芸術展に展示する「かかし」を作るワークショップです。川平の雰囲気を事前に味わえる大チャンス。ぜひお集まりください。

 

事前ワークショップ②「こどもかかしを作ろう」

日時:2018年11月24日(土) 時間未定
会場:いわきアリオス
定員:15名
講師:榊裕美(NPO法人ワンダーグラウンド)

いわきアリオスのこどもプロジェクト「あそび工房」とコラボして、こどもかかしを作るワークショップです。完成したかかしを使って、次の日のイベント当日に、あんなことやこんなことをしちゃうかもしれません。詳細が決まりましたら、こちらのサイトで紹介いたします。

 

事後ワークショップ「問いの共有会」

日時:2019年1月(予定)
会場:いわき市立白水小学校
定員:なし

この日のアーツキャンプで感じたもやもやや、閃いたアイデアを共有する会を、来年1月に予定しています。決まりましたら、こちらのサイトにも情報をアップいたしますので、お楽しみに。

 

現在のところ決定しているのは以上のようなプログラムです。残り1カ月で、わしゃわしゃと生まれる企画もあるかもしれません。その時はまたこちらのサイトで紹介していきます。今、いわきでもっとも味わうべき二つの場所。「白水小学校」「みろく沢炭資料館」。学びと体験を通じて、このいわきの潮目から、問いを生み出してみましょう。そこで生まれた問いは、あなたの暮らしを、さらに豊かにしてくれるはずです。参加表明、フィールドワークのご予約、お待ちしております。

 

企画名 いわき潮目劇場2018「しらみずアーツキャンプ」
開催日 2018年11月25日(日)
開催時間 しらみず文化大学 9:00〜18:00
●座学  9:00〜12:20
●昼休み 12:20〜13:30
●フィールドワーク 13:30〜16:30
●懇親会 17:00〜18:00

みろくざわ芸術祭 9:00〜17:00
会場 いわき市立白水小学校、みろく沢炭砿資料館ほか
参加料 無料(昼食は有料)
予約 ※フィールドワークの参加には予約が必要です

いわき潮目文化共創都市づくり推進実行委員会
(いわき市 文化スポーツ室 文化振興課内)

〒970-8686 いわき市平字梅本21
TEL:0246-22-7544 FAX:0246-22-7552
E-mail:bunkashinko@city.iwaki.lg.jp
主催 いわき潮目文化共創都市づくり推進実行委員会、いわき市
協力 内郷まちづくり市民会議、いわき芸術文化交流館「いわきアリオス」
会場へのアクセス 駐車場:白水小学校校庭、みろく沢炭鉱資料館前広場 
※台数に限りがありますので路線バスもご利用ください。
いわき駅発 川平行▶︎7:15, 9:30, 11:30, 13:30など
川平発 いわき駅行▶︎14:05, 15:05, 16:05, 17:05, 18:10(最終)

【会場をつなぐ「シャトルバス」が運行します】
朝や正午、帰りの時間帯を中心に、メイン会場の白水小学校とみろく沢会場をつなぐシャトルバスが運行します。自家用車での移動も問題ありませんが、バスをご利用の方は「特設バス停」でバスをお待ちください。
シャトルバスの時刻 【シャトルバス時刻表】
みろく沢発 8:30、9:30、10:30、11:30、12:45、13:35、14:25、15:20、16:40

白水小 発 9:00、10:00、11:00、12:15、13:05、14:05、14:45、15:50
※バスの展開スペースの都合上、乗降場所は白水小より少し手前の川平集会所となります。
諸注意 【防寒対策】
座学の会場は小学校の体育館です。暖房器具なども用意しますが、床付近はとても冷たく感じられるはずです。ももひき、腹巻き、膝掛け、ダウンジャケットなど、防寒対策をよろしくお願い致します。

【トイレについて】
白水小学校では学校のトイレを使用可能ですが、みろく沢炭鉱資料館は仮設トイレとなりますので、あらかじめご了解ください。

【昼食について】
当日は、昼食の用意をいたします(有料)。提供形態などは、決まり次第情報を更新いたします。