しらみず野外演劇祭 延期されていた演劇の上演について

今年、しらみずアーツキャンプ内で上演を予定していたツアー型演劇「地中の羽化、百億の波の果て」につきまして、開催の中身が大きく変更されましたのでお知らせ致します。当初は一般の参加者を募って開催する予定でしたが、今回の延期開催分については、一般のお客様は募集せず、エキストラ参加者の募集のみとさせて頂きます。

 

地中の羽化、百億の波の果て

 

撮影日時:2020年2月1日(土)(予備日1月31日(金))
集合:いわき市役所 9:00出発(8時半集合)
エキストラ定員:10名
撮影時間:9:00〜17:00

 

体験型ツアー演劇「地中の羽化、百億の波の果て」は、しらみずアーツキャンプのリサーチ班である寺澤と藤城が作・演出を手がけた作品です。二人がしらみずというかつての炭鉱町で出会ったものたちが、この日、立ち現れ、現実と虚構が交じり合います。そして、やっちきという供養と祝祭のどちらも併せ持つ踊りで、すべての劇はフィナーレを迎えます。

 

 

私は、ある日、絶命した。
そして、地中で長い時間をかけて、石炭となった。
石炭となった植物と炭鉱とともに生きた坑夫たち。
今宵、私たちは、供養のために踊るのだ。

 

 

作/演出:phyton(寺澤亜彩加×藤城光)
出演:荒木知佳、鶴飼美桜、奥萌、キヨスヨネスク、鈴木正也、鈴木卓巳、中畑菜々美、牛島青、田口紗亜未、松本昌弘、松本芽衣
スタッフ:会田勝康、森亮太、山根麻衣子
特別協力:江尻浩二郎、野島美穂、加藤春休、河崎正太郎、関根颯姫、萩原宏紀
映像記録:長崎由幹
リサーチチーム:江尻浩二郎、寺澤亜彩加、藤城光
主催:いわき潮目文化共創都市づくり推進実行委員会、いわき市
協力:内郷まちづくり市民会議、いわき芸術文化交流館アリオス、みろく沢炭砿資料館、菩提院

お申し込み・お問い合わせ
〒970-8686 いわき市平字梅本21(いわき市 文化スポーツ室 文化振興課内)
TEL:0246-22-7544 FAX:0246-22-7552
E-mail:bunkashinko@city.iwaki.lg.jp

 

今回の開催について、作・演出を担当したphytonの寺澤亜彩加、藤城光より、ステイトメントが届いていますので、以下、長文となりますが掲載いたします。

 

phyton(寺澤亜彩加×藤城光)

 

私たちは、今年の春より、白水というかつての炭鉱町であった地域でのリサーチを続けてきました。そのリサーチを重ねれば重ねるほど、この地域の記憶をすくい上げることが、過去の記憶を未来に繋ぐだけでなく、今を生きる私たち、震災後という時間、また、あちこちで災害が起き続ける現在を生きる上でも、大いに学びや気づき与えてくれるものだと感じました。

ここで生きた人々から託された記憶たちは、人間が生きて、そして死んで、それを弔う、という営みそのもの、さらには災害が起きた場所においての弔いのあり方などが凝縮された姿でした。

私たちが、リサーチの軸としてきたのは、弔いとしてこの地域で踊られていたという記録が残る「やっちき」という歌と踊りです。その記録とは、草野日出雄さんの資料の中に出てくる、明治36年生まれ、岡崎マサさんの証言です。

それは「大正8年頃から暗がりの道をたどって白水阿弥陀堂に差しかかると、十数人の坑夫たちは、阿弥陀堂の境内でひと休みし、カンテラの灯を中央にして『やっちき』を踊ることたびたびだった」という話や、「踊ったのは境内ばかりではなく、坑口近くの広っぱで、月の明かりを頼りに踊った」「先山(坑内の採炭夫)たちは『炭坑で事故死した人々の供養に踊るのだ』といっていた」というものです。

 

現在各地で残っている「やっちき」が供養と結びつけられることはまずありません。ですが、私たちリサーチチームは、このマサさんの証言に着目しました。ここ白水の地にはかつて、炭鉱に生きる者たちが炭鉱に生きた者たちを慰める「供養のやっちき」があったのではないかと。

そして聞き取りを続けてきた結果、この地域で独自の発展を遂げたと思われる弔いとしての「やっちき」の話が、高齢の語り手から出てきたのです。それは、当時の生活のあり方、炭鉱での労働の話、事故で亡くなった方々に対する供養の気持ちなどとも結びついているものでした。

 

当初、「しらみずアーツキャンプ」及び、そのイベント内で上演予定だったツアー型演劇+野外劇は、去る2019年1o月、いわきを襲った台風19号による甚大な被害により、イベントの実施を断念せざるを得なくなり、延期とされました。そしてその後、実行委員会にて延期での実施を模索検討し、2020年1月〜2月にプログラム内容を分散/変更し、実施することを決定いたしました。

「しらみずアーツキャンプ」の「しらみず文化大学」は2020年1月19日(日)に旧白水小学校にて実施されます。「しらみず野外演劇祭」につきましては、2020年2月1日(土)に、上演を実施することとなりました。しかし上演に際しましては、冬季の野外という過酷な条件下のため、一般の観客は募集せず、記録映像を通して皆様に演劇を見ていただけるような実施方式とし、エキストラと演者のみでの上演と致します。

そのため、ツアー型演劇のラストシーンである野外劇は、ツアー型演劇の中に組み込まれました。演劇の上演方法の変更はありますが、上演を実施し、記録も行い、それを映像として編集したもの、リサーチ内容をまとめた冊子、ツアーマップなどは予定通り制作し、地域の記憶として手渡していけたらと思っております。(発送時期は春から夏の予定に変更させていただきます。)

今回起きました台風19号も経て感じますことは、この、白水という地域の記憶をすくい上げることが、過去の記憶を未来に繋ぐだけでなく、今を生きる私たち、震災後という時間、また、あちこちで災害が起き続ける現在を生きる上でも、大いに学びや気づき与えてくれるものなのではないかということです。

ここで生きた人々から託された記憶たちは、人間が生き、死に、それを弔う、という営みそのもの、さらには災害が起きた場所においての弔いのあり方などが凝縮された姿でした。

だからこそ、この地域の記憶を、きちんと作品の形でアーカイブとして残したい、と強く私たちは思っています。今後ともご支援のほどよろしくお願いしたします。

 

クラウドファンド終了 ご協力ありがとうございました!

いわき潮目文化共創都市づくり推進実行委員会では、クラウドファンド「KICK OFF」にて、演劇プログラムに関するクラウドファンドを実施しました。皆さまのおかげで100万円を超える支援を賜りましたこと、改めて厚く御礼申しあげます! 

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